平成 27年度における法人税等の調査事績と事例 11月16日

国税庁が公表した平成27 事務年度(平成27 年7 月〜平成28 年6 月)の法人税等の調査事績によると、

調査必要度が高い法人9 万4 千件(前年度比1.6%減)について実地調査を行った結果、
法人税の非違があったのは6 万9 千件(同0.9%減)で、その申告漏れ所得金額は
総額8,312 億円(同1.0%増)、調査1 件当たり888 万円(同2.6%増)となった。

追徴税額は総額1,592 億円(同6.7%減)、1 件当たり170 万円(同5.2%減)である。

また、法人消費税については、法人税との同時調査等として9 万件(同1.3%減)の実地調査が行われ、

そのうち5 万2 千件(同0.1%減)に非違があり、追徴税額は565 億円(同25.1%増)となっている。

なお、実施された調査には、以下のような事例があった。

【海外取引事案】

機械の製造・販売を営む調査法人は、Y国の取引先A社に対する売上値引き処理に不審点が見受けられたため、

Y国税務当局にA社の経理処理等について租税条約に基づく情報提供の要請を行い、取引実態を確認

した結果、正規の金額で機械を販売したにもかかわらず、納品した機械に欠陥があり、売上値引きをしたと

仮装することにより、所得金額を圧縮していた。

【大口・悪質事案】

貴金属等の買取・販売を行っている調査法人は、法人が仕入れた貴金属等を代表者等の個人名義で大手貴金属買取業者へ持ち込み、その売却代金を現金で受領することで法人の売上を除外。また、貴金属や高級時

計等の一部をインターネットオークションで販売し当該売却代金を代表者等の個人預金口座に振り込ませることで法人の売上から除外していた。

【消費税不正還付事案】

宝石貴金属売買を営んでいる調査法人は、海外の法人に宝飾品を輸出したとして、消費税の還付申告書を提出していた。調査法人は、宝飾品を仕入先法人Aから高額で仕入れ、X国法人Bに高額で輸出。その後、

同一の宝飾品をAがX国から複数の法人を経由し低額で輸入し、再び調査法人がAから高額で買い戻し、Bに繰り返し輸出していた。これらの行為は、不正に消費税の還付を受けるために行った循環取引であること

が、通関業者への反面調査及びインボイスの分析により判明した。