国税庁が公表した平成27年度査察の概要によると、平成27年度に全国の国税局が査察に着手した件数は189件(前年度194件)であった。
また、平成27年度以前に着手した査察事案について、平成27年度中に処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)した件数は181件(前年度180件)で、そのうち63.5%(同62.2%)に当たる115件(同112件)を検察庁に告発した。

処理件数181件の脱税総額は138億円(同150億円)、そのうち告発分の脱税総額は112億円(123億円)といずれも前年度より減少。

告発分の1件当たりの脱税額は9,700万円(同1億1千万円)となり、35年ぶりに1億円を下回った平成25年度の9,900万円をさらに下回った。

これは近年、脱税額3億円以上の大型事案が減少傾向にあり、平成27年度は5件(同6件)、うち5億円以上の事案は1件(同1件)、10億円以上は3年連続の0件となったことが要因とみられる。
告発分を税目別にみると、法人税が69件(同69件)と全体の60%を占め、その脱税総額は57億円(同75億円)であった。

以下、所得税25件・31億円(同18件・18億円)、消費税12件・10億円(同13件・11億円)、相続税5件・11億円(同2件・5億円)、源泉所得税4件・3億円(同10件・13億円)。
告発件数の多かった業種では、前年度3位だった「建設業」が15件(同8件)でトップ、次いで、前年度1位だった「不動産業」が12件(同16件)、「クラブ・バー」7件(同10件)、「機械器具卸」6件(同なし)と続く。
脱税の手段・方法としては、建設業や不動産業では架空経費の計上、クラブ・バーではホステス報酬に係る源泉所得税を徴収していたにもかかわらず納付していないものが多くみられた。

そのほか、海外で保有する株式の配当収入の除外や、海外法人に対して架空経費を計上したもの、輸出取引を装い国内における架空の課税仕入とこれに見合う架空の輸出免税売上を計上する方法で不正に消費税の還付を受けていた、または還付を受けようとしていたことから消費税受還付未遂犯を適用したもの、多額の利益がありながら故意に法定申告期限までに申告書を提出しなかったことから単純無申告逋(ほ)脱犯を適用したものなどがあった。

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